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2013年7月24日水曜日

競売とは

不動産投資家や大家さんの立場から見た競売とは、リスクの高い物件を安く購入できる仕組みです。また、3点セットと呼ばれる競売物件に関する資料が揃っており、ウェブ上で簡単に入手できます。

競売で安く物件を手に入れるためにも、まずは全体像と関係者を見ていきましょう。

競売の全体像と関係者

競売には次の通り関係者が4者います。債務者、金融機関、裁判所、入札参加者です。図を見ると裁判所が全てを取り仕切っているように見えますが、裁判所はルールに沿った仲介をしているだけで、立ち退き交渉などは関係者同士が直接しなければなりません。

競売の仕組み図解
競売の仕組みの図。債務者、金融機関、裁判所、入札参加者の4者が関わっている。

競売の全体像について、流れを追ってみていきましょう。

◆目次
1:不動産を担保とした融資
2:借入金が返済不能に
3:裁判所へ競売の申立て
4:裁判所による担保物件の差押え
5:対象物件が不動産競売に出される
6:最高入札額の入札参加者に物件売却
7:落札者が落札金額を納付
8:金融機関が裁判所経由で貸付金を回収
9:不動産の所有権を債務者から落札者に移転

1:不動産を担保とした融資

不動産競売の始まりは、不動産の所有者が不動産を担保に金融機関から融資を受けるところから始まります。この時、金融機関は貸付金を回収できなくなるという最悪の事態に備えて不動産に抵当権を設定します。

2:借入金が返済不能に

債務者の経済事情が苦しくなり、金融機関への返済ができなくなると競売へと話が進み始めます。ただし競売になると金融機関は多大な手間と時間がかかってしまうため、借入金の返済計画見直しなどで再び返済できるようにしようと頑張ります。すでに債務者に建て直しの余裕がなければ競売へと進みますが、任意売却である程度の資金を回収し、損失計上をして案件を処理する場合もあります。任意売却もできない場合は競売が始まります。

3:裁判所へ競売の申立て

競売を始めるためには、金融機関から裁判所への申し立てが行われます。申立て内容に問題がなければ、裁判所は新しい事件として競売の手続きを開始します。

4:裁判所による担保物件の差押え

事件が開始されると裁判所は申立てが行われた不動産に対し差押えを行い、不動産鑑定士による物件調査が行われます。この調査結果をまとめたものが「現況調査報告書」「評価書」「物件明細書」の三点セットと呼ばれる資料です。

5:対象物件が不動産競売に出される

競売にかけられた物件は、裁判所により不動産競売という公の場に出されます。BITや981.jp、at homeといったサイトで探せるようになります。

6:最高入札額の入札参加者に物件売却

競売参加者は一度だけ入札をすることができます。熱気あふれる競り売りとは違い、参加者が何人いるのかも、競合者がいくらで入札したかもわかりません。自分で物件の価値を判断し、買ってもいいと思うギリギリの金額で入札をします。

7:落札者が落札金額を納付

無事に対象不動産を落札し、売却が決定すると落札者は入札した金額を納付します。入札参加の際に予納金を入れているので、差額を納付すれば手続き完了です。

8:金融機関が裁判所経由で貸付金を回収

競売により担保物件が現金化されると、金融機関の債権の割合に応じて現金が配分されます。

9:不動産の所有権を債務者から落札者に移転

競売落札者が代金を納付し、裁判所での所有権移転手続きが完了すると、ようやく不動産の所有者となれます。

不動産投資家・大家さんとしての競売物件の考え方

競売で不動産を購入するメリットは、価格が安い事と、不動産業者やベテラン大家さんと同じ立場で入札に参加できる、という2点です。価格が安いことが一番のメリットですが、業者とのコネや情報ルートがない新米大家さんにとっては、割安な不動産をしっかりと時間をかけて調べるなど競売以外ではできません。

一般市場で割安な物件情報が出てくれば、数時間で買付が入るのはよくある事ですし、不動産業者が一般公開前の物件を新米大家さんに情報を流すことはあり得ません。短時間で物件の価値を見極め、購入の可否を判断でき、実際に購入資金も調達できるような、ベテラン大家さんや買い取り業者があっという間に買いさらってしまいます。

不動産競売は「リスクが高いからプロ向け。法整備が進んで素人が買いやすくなったとは言え、リスクが高い物件が多いので初心者は手を出さないほうがいい。」とよく言われます。でも、これから不動産投資家・大家さんを指す人や、まだ小規模で業者とのコネがない人は、競売から物件を購入するのはメリットが非常に大きいです。割安の物件を時間をかけて購入検討できるのはとても魅力的です。

ただし占有者との交渉や、物件の内部調査ができないなどの様々なリスクがあるのは確かなので、リスクを抑えて競売を始めることをおススメします。失敗しても大丈夫な範囲の金額で、プロの助けを借りれば解決できそうなリスク要因の物件に狙いを絞って入札していきます。

万が一、落札した物件で解決できない問題や解決に時間がかかる問題が出てきても、低い金額の小さな不動産であれば損失も少ないですし、わずかな金額で様々な経験を積むことができて一石二鳥です。不動産投資は小さな物件で色々な経験を早く積むことが、後の大きな取引と利益を生む源になると思うのです。